700ml 55.9%
熟成樽:Bourbon Hogshead
ペールカラー、香りはフラワリー、ハニー、野草ハーブ、ボディはエルダーフラワー、ハニー、フィニッシュはハーブビターが続く
---ADラトレー社---
もうすっかりお馴染みとなりました、高品質のADラトレー社「カスクコレクション」のニューボトリングがリリースされましたので、日本の皆様に早速ご案内いたします。1868年に設立された同社は、その当時数多くのウイスキーブランドの正規販売代理店として活動し、その後何回かの吸収・買収を経て、現在はあのモリソンボウモア社を経営していた“モリソン・ファミリー”の所有となり、主に樽の購入・販売等を行っています。(現在モリソン家はボウモアの経営からは手を引いているそうです。)そんな同社が初めてオリジナルのラベルで発売した、シングルカスク&カスクストレングスのシリーズがこの“カスクコレクション”です。
【Blair Athol / ブレアソール蒸溜所】
蒸留所の創業は1798年です。その当時、蒸留所は敷地の農場の名からアルダワーと呼ばれていました。ブレア・アソールという蒸留所名になったのは、1825年に政府の認可を受けてからです。ブレア・アソール蒸留所があるのは、南ハイランドの保養地として有名なピトロッホリー。この町は夏目漱石がロンドン留学中に訪れた土地としても知られ、彼の滞在したダンダラックの館は、現在はホテルとして運営されています。蒸留所はそのピトロッホリーの町はずれにあります。
蒸留所名の由来は、アソール公爵の居城であるブレア城に因んでいますが、実際には蒸留所と城とは18キロメートルほども離れています。ブレア城は昭和天皇が皇太子時代に滞在(1921年)した城としても、日本人には馴染みのある場所かもしれませんね。なお、ブレア城のあるブレア・アソール村ははBlair Athollと綴るのですが、蒸留所名は最後の「L」を一つ省いてBlair Atholと綴っています。
仕込み水は蒸留所内を流れるアルト・ダワー川から引いています。大変清らかな川として知られ、1887年に蒸留所を訪れたアルフレッド・バーナードは、ここの水の輝きはまるでクリスタルようだと絶賛しました。なお、アルト・ダワーとはゲール語で「カワウソの小川」を意味していて、オフィシャルボトル「花と動物シリーズ」のラベルにもカワウソのイラストが描かれています。
ブレア・アソールはブレンデッドウイスキーのベルの重要な原酒です。現在ブレア・アソールのオフィシャルボトルは発売されてなく、原酒はもっぱらブレンデッド用に回されているようです。ですので、とても入手しづらいシングルモルトのひとつだといえます。しかし、以前出されていた「花と動物シリーズ」12年のストックはまだ市場に残っていますし、限定バージョンのオフィシャルボトルも過去に何度かリリースされています。見つけたらぜひ飲んでおきたいシングルモルトですね。