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伊勢角屋麦酒 #010 Marginal Ⅲ KADOLABO

伊勢角屋麦酒 #010 Marginal Ⅲ KADOLABO


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KADOLABO 010は、KADOLABO001,002で販売したMarginalシリーズが帰ってきました。前回は白ブドウ・赤ブドウ果汁での試みでしたが今回は、オレンジワインに焦点を当て醸造致しました。また、006でも使用したブレタノマイセス酵母も使用しフレンチオーク樽で熟成させました。面白い仕上がりになりましたので是非ご賞味ください。

Style: Wine-inspired Saison

Malt: Pilsner, Extra Pale Ale, Wheat Malt

Hop: Styrian Goldings, Aged Styrian Goldings, Aged Willamette, Nelson Sauvin, Motueka

Yeast: Kadoya-1, Boke, BR-8

Sub: White grape skin

【緒言】

「Marginal Ⅲ」では、オレンジワインにインスパイアされたセゾンを醸造した。Marginalシリーズはビールとワインの境界を探求する取り組みとして位置づけている。

オレンジワインは通常の赤や白ワインとは異なるスタイルのワインである。白ブドウを使用して作られながら、発酵プロセスでブドウの果皮や種子と接触させ、それによってワインがオレンジ色または琥珀色になるのが特徴だ。この特異性により、オレンジワインは一般的な白ワインよりも風味が濃厚で複雑であり、果物やハーブのニュアンスを持っている。また、オレンジワインは通常、タンニンを含むため、赤ワインに近いテクスチャーを持つことがある。このワインスタイルは、食事とのマリアージュに適しており、多彩な料理との組み合わせが楽しめる。

オレンジワインは古代の伝統的な醸造方法に基づいており、最近では再び注目を集めている。これはナチュラルワインの文脈とも重なる部分がある。ナチュラルワインは、ワイン醸造の伝統的な方法と自然なプロセスに忠実なワインスタイルを指し、化学的な添加物や処理を最小限に抑えてぶどうから作られる。また、一部のナチュラルワインは元々ブドウに自生する野生酵母を用いて醸造される。自然なプロセスへのこだわりから、ブレタノマイセス酵母に感染したナチュラルワインも存在する。ブレタノマイセス酵母は、ブドウ本来の風味を表現したいワイン醸造家にとっては本意ではないかもしれないが、ブドウと野生酵母の相互作用から生まれるアロマとフレーバーは非常に興味深いものだ。

ブレタノマイセス酵母は、4-ビニルフェノール(4VP)や4-エチルフェノール(4EP)などのフェノール化合物を生成する特性がある。これらの化合物によって、ワインにスパイスや煙のような香り(4VP)や薬品やバンドエイドのような香り(4EP)がもたらされ、その結果、ワインはファンキーな風味を持つことがある。これらの香りはワインの文脈では時に忌避されるが、クラフトビールの世界ではブレタノマイセス酵母のキャラクターを活かした革新的なビールが多く生まれている。

「Marginal Ⅲ」では、セゾンベースのビールに、シャルドネグレープの搾りかす(皮と種子およびわずかな果肉)とオーク樽、ブレタノマイセス酵母を使用し、ワインとビールの文脈が交差するところからどんな新たな味わいが生まれるか試みた。

【方法】

まず、2つのセゾンを醸造した。1つはPilsner MaltベースでKadoya-1で発酵させたClassic Saison。もう1つはWheat Maltを多く配合し、大量の熟成ホップで香りづけし、Boke酵母で発酵させたSaison。これら2つのビールに、シャルドネグレープの搾りかす(皮と種子および少量の果肉)とブレタノマイセス酵母を加え、二次発酵させた。その後、搾りかすを取り除き、3ヶ月間フレンチオーク樽で熟成させたClassic Saisonとブレンドして完成させた。